
畑は小さな大自然そーやんさんのYouTubeを見ていました。無農薬、無肥料の自然栽培で、なぜ無肥料が良いのか、なるほどなーと思いました。
日本に住んでいた頃、親戚の農家のおじさんのところでお世話になっていた時期がありました。おじさんは高齢で何年か前に亡くなり、たくさんあった土地も、久しぶりに訪れた際にはそのほとんどが太陽光発電のパネルの設置場所になっていました。なんとも、さみしい気持ちになったことを覚えています。
当時おじさんは、鶏糞を使って有機農業をしていました。車でしばらく走ると鶏糞処理工場があって、近くを通ると臭いがひどくて、私は感覚的におじさんが鶏糞を使って作物を作ることを、あまり快く思っていませんでした。
ある時、思いきっておじさんに話したことがあります。
「無農薬、無肥料の自然栽培っていう方法があるみたいです。」
しかし案の定、「肥料がなくて、作物が育つわけない。」と言われて、とても気まずい雰囲気になったことを覚えています。
知り合いの農家さんも、無農薬で頑張って稲作をしています。無肥料で作ることができるらしいことを、それとなく伝えてみました。でも、「肥料代がかからないなら、そんなに良いことはないけれど。。」と、信じてもらえません。
私が、実際に無農薬、無肥料で栽培して実証していれば説得力があるのかもしれません。ただ、農業のプロの方たちに向かって、素人の私が暗に批判的なことを言うのですから、とても失礼なお話しです。
ところで、私は無農薬、無肥料の自然栽培のものしか口にしたくない、とまでは思っていません。そんなことは無理ですし、そもそもこちら海外では、自然栽培という概念はありません。オーガニックの野菜があれば、無農薬の方がリスクが減ると思い、購入することもあります。
ただ、日本でもし自然栽培のものが手に入れば、私は好んで購入するでしょう。もし協生農法の作物が手に入れば、喜んで購入します。
さらに、現在私が病気を患っているならば、病気治しのために無農薬、無肥料の作物や、山菜や野草など、自然で育ったものを選択して食べると思います。
このように、私が無肥料が最善という結論に至ったのには、理由があります。
もう20年近くになりますが、出産後に体調を崩して何年も苦しんでいた時に、食事について随分調べて試していたことがありました。その時に知ったのが、自然栽培です。
りんごの木村秋則さんの、自然栽培でした。有機肥料の作物が腐っていくのに対して、無肥料栽培のものは枯れていく、という実験結果に驚きました。腐るもの対、枯れるもの。体内に入れて良さそうなものは、感覚的に枯れるものだと思ったのです。
でもやはり、作物に土の中の栄養が入ってしまうのだから、収穫後は土の中の栄養が無くなってしまうのではないか、という疑問は、捨てきれないでいました。
では、無肥料栽培で土の中の栄養は、一体どこから来るのでしょうか。
化学肥料であっても、また有機肥料であっても、人為的な肥料は肥料毒として土にとっては邪魔になり、汚染された状態になる、と動画の中で話されています。
野菜類に必要な栄養素は、窒素、カリウム、リンであることは学校で習いました。
植物は、窒素分を根から硝酸イオンかアンモニアのイオンとして吸収します。これを硝酸態窒素・アンモニア態窒素と言います。植物は必要な量以上の硝酸態窒素を蓄積しても害がなく、吸収できるだけの硝酸態窒素を葉に蓄積します。
しかし、過剰の硝酸態窒素は、人間や環境に悪影響を及ぼします。化学肥料の過剰な窒素分が、問題になります。 化学肥料はなぜいけないのか
このような窒素だけの問題ではなく、バランスが大切だということです。つまり、人為的な化学肥料が、土の中の生態系のバランスを保つ上で邪魔になることがあるということです。
私たちは野菜が冷蔵庫の中で腐っていく現象を、当たり前のように目の当たりにします。ただ、腐る野菜というものが、本当は不自然だということが、なかなか認識できないでいます。
例えば有機肥料を使うと、肥料ですから大きく育ちます。早く大きく成長すればいいのかと言えば、それ自体本来の自然なことではありません。
以前、当ブログでご紹介した、ふぁーちょさんの野菜作りの「肥料」を研究して を振り返ります。
このような有機肥料は完熟していても、問題のある成分は残存します。野菜を腐らせると、肥料そのものの臭いがします。野菜は肥料を与えた時はよく育ちますが、与え続けないとダメで、肥料に依存するようになります。
また、このような肥料は、病虫、害虫の原因にもなります。
枯草や落ち葉を使った自然堆肥を与えた場合、土の力を他のものに比べて長く持続させることはできますが、養分効果には限度があります。
リサイクル、循環、エコという理由から、有機農法には良いイメージがあります。町をあげて有機栽培に取り組む、という話題も耳にします。
環境にも身体にも良いことを信じて、有機農法に切り替える気持ちに、嘘はありません。無農薬にするために、手で虫を丁寧に取り除く手間が増えることもあるでしょう。
ただこのように、有機栽培が本当に良いのかということが、実際に結果として出ていることも事実です。
さて、ここでさらに協生農法のムーさんのブログ野人エッセイすの記事をご紹介したいと思います。
化学肥料栽培よりもオーガニックの方が、はるかに自然界の仕組みに反して健康・環境破壊のリスクが大きい。
化学肥料を使った農地は再生するが、オーガニックの歴史が長い農地は土中に止まり続ける有機異物で再生出来ず、協生農法はやれない。 通気性がなければ有機の分解は不能。
有機栽培が世界的に推奨されて広がっていったら、環境や身体へのリスクがさらに高まるということです。これは、事実でしょう。
何事もそうですが、私たちの生活はあまりにも中庸からかけ離れてしまっています。
例えば、これが身体に良い!これは、危険だから食べてはいけない!という情報があれば、みんな一斉に試してみたりします。信頼している人の発言ならば、尚更です。
こうあるべき、こうしなければいけない。そうやってストイックに病気治しを試みた時期も、私にも確かにありました。
普段の生活ではそのようにしていても、たまには、今日は例外、という気持ちの余裕があってもいいのでは、という思いが今ではあります。もちろん、体の反応が過敏になっている時には、しばらく控えなければいけないこともあります。
ただ、人間の体も、そして環境も、本来のありのままの、健康な状態に戻るように働いてくれるはずです。
「病気は、体が治ろうとしている現れで、苦しい症状こそが治癒のために必要なプロセス。」
免疫学者の安保徹先生のこのようなお話を、私も経験として理解して、今があります。ですので久しぶりに先生のお話を聞くと、深く頷けます。
真実が、これから世界中にスピード感をもって拡散されていく兆しが見え始めています。極端な世界は、振り幅が大きくてもいずれは真ん中に落ち着きます。
この方法が一番だ、と極端に主張することは、つまりそう思っていない人との間では対立が生まれてしまいます。あまり良いことでは、ありません。
そんなに焦らなくても、意識が変わり始めれば、目の前に現れる世界は変わっていくのではないのでしょうか。そんな気がしています。