Wanomanabi logo

物を大切にする心と科学

目次:

  1. 木のお弁当箱が、壊れた
  2. 物は、何からできているか
  3. 昔の日本人は、ちゃんと知っていた

1. 木のお弁当箱が、壊れた

日本人なら誰でも、「もったいない」という言葉を知っています。
そして昔から、物を大切にする心を、教わってきました。

物を大切にすることは知っているけれど、なぜ物を大切にする必要があるのか、知っている人は少ないかもしれません。

もう現役を退きましたが、野球のイチロー選手に聞いてみたら、そのなぜ?を知っているはずです。彼は一度も、自分のバッドを粗末に扱ったことはありません。

良い成績が出なかったからといって、試合後に自分のテニスラケットを床に投げつけている選手をテレビで見たことがあります。その選手はその後、試合で良い成績を収めることができたでしょうか。答えはノーです。

もう10年以上前のことになりますが、娘が小学生の頃、お弁当のことで朝、大喧嘩したことがありました。あの年頃の子どもは、キャラクターのお弁当箱に、中身もキャラクター弁当というのが当たり前だったのだと思います。

私が一度も作ったことがない、キャラ弁
私が一度も作ったことがない、キャラ弁

私はまったくそういう感覚がないので、国産木材でできた高価なお弁当箱に、中身もまたそれは地味だけど、栄養と愛情たっぷりのお弁当を持たせました。

ご想像の通り、娘は反発しました。
そして帰宅後に袋を開けてみたら、そのお弁当箱は割れてしまっていました。

娘は、自分はそんなことしていない、と言い張ります。私も、彼女が意図的に壊すようなことをするとは思えませんでした。

「かわいそうに、お弁当箱は今朝の会話を聞いていて、自分から壊れてしまったんだよ。」

おかしなことを言う、お母さんですよね。

いいえ、私には確信がありました。物にはみんな、心があることを知っていたからです。

私はそれを、歯科医師をしていて診療中に気づきました。患者さんから教わった、ということになります。これはまた改めてお伝えしようと思いますが、その時は不思議だな、と思っていただけなのですが、年齢を重ねるにつれて、それは科学的な現象だったということわかりました。

いったい物というのは、どういう存在なのでしょう。

2. 物は、何からできているか

物によって成分が違うとか、生き物と木材は違うとか、さらに無機物は単なる物だとか、色々な表現の仕方はあるでしょう。

しかし、元を正せば、物は全て原子でできています。

原子って、見えますか?見えませんね。
では原子は、どこからきたのでしょう。誰が作ったのでしょう。

人間はもちろんのこと、石も、植物も、動物も、この地球でさえ、人間が人間の目で見ているものは、全て原子でできています。

その原子はどこからか突然降って湧いてきたのではなく、この宇宙の仕組みの中で組み合わされて、私たちに見える物として、存在しています。

私たちの目に見えないものを、仮に「命のエネルギー」と呼びましょう。物に命を与える、見える物として存在させてくれている、エネルギーです。

物は全て原子でできているわけですから、全て、この命のエネルギーを持っています。命のエネルギーがなければ、物は物として存在できません。

人間は、石は生きていない、無機物は生きていない、物は生きていないと、動いていない物は生きていないと思っていますが、全て原子を持っているわけですからエネルギーを持っているのです。原子力発電などと言うではありませんか。原子はエネルギーですね。

ではなぜ、エネルギーに命をつける必要があるのか。

それは、エネルギーはただの「もの」ではないからです。このエネルギーには、ちゃんと意識と意志があって、どのよう形の物質になるのか、方向性が決められるようになっているからです。

3. 昔の日本人は、ちゃんと知っていた

多種多様の生き物や、みんなにとっては単なるもの、としか見えない「もの」であっても、その原理は同じです。地球上の多種多様の生き物は共存していく中で、お互いに最適な形に進化していきました。

私たちはひとり残らず、この原子を持って生かされています。どんなものにも、原子があります。

その原子の生命エネルギーには、さきほどもお伝えしたように意識や意志がありますから、どのようなものとも、お互いに通じ合うことできるようになっています。

テニス選手がいつも使っているテニスラケットだって、いつも運転している愛車だって、それを使う人間の心を知っています。大切に使ってあげれば、ちゃんと伝わります。気持ちを込めて作った料理は、美味しいではありませんか。植物や動物たちには、人間のような自我はありませんから、人間の心は素直な形で伝わります。そして、それに応えてくれます。

「すべてのものに、神が宿る。」日本人ならば、無意識的に納得しているはずです。
あえて言い換えてみるならば、すべてのものには原子があり、そこに意識や意志、つまり神が宿っているということになります。

日本人が、昔から「ものを大切にする心」を教えてきたのは、生活の中でちゃんとその科学を理解していたからだと、私は考えています。