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桜はなぜ、日本人の心に響くのか

目次:

  1. 「さくらさくら」の唄を久しぶりに聴いて
  2. さくらさくらの唄の意味
  3. 日本人が桜に特別な感情を抱く理由

1. 「さくらさくら」の唄を久しぶりに聴いて

今日は久しぶりに、長いドラマを観ていました。
2003年に放送された、テレビドラマ「ワルシャワの秋」女優竹内結子、岸惠子が演じる、看護師のお話です。

第一次世界大戦で、シベリアで孤児となったポーランド人の子供たちを、日本赤十字が引き取り日本で世話をして、その後本国ポーランドに送り届けたという実話を元にしたお話のようでした。子供たちとの交流の中で、「さくらさくら」の唄が歌われていて、あれ、私が小学生の頃に歌っていたものと歌詞が違うと、私はこの唄まで忘れてしまったのかと慌てて、調べていたのでした。

私が小学校で習った「さくらさくら」の歌詞は次の通りです。

さくらさくら
野山も里も
見わたす限り
かすみか雲か
朝日ににおう

さくらさくら
花ざかり

さくら さくら

ドラマで唄われていたのは、二番の歌詞でした。

さくらさくら
やよいの空は
見わたす限り
かすみか雲か
においぞ出る

いざやいざや
見にゆかん

2. さくらさくらの唄の意味

私が小学生だった頃は、一番の歌詞だけ教わり、二番の歌詞は教わりませんでした。
ドラマの時代は、今では二番の歌詞になっているこの歌詞が、一番として唄われていたようですね。

現在の一番の歌詞は、なんとなく光景が目に浮かびます。

桜が野山にも、民家のある里にも、見渡す限りに咲きほこり、桜が朝日を浴びてキラキラと美しい光景
(私の解釈するイメージ)

しかし、映画で唄われていた「さくらさくら」の歌詞は、国歌「君が代」と同じように、内容の意味があまりよくわかりません。

やよいの空って?
いざやいざや?

やよいは旧暦では弥生と書き、3月のこと。桜は3月に咲くので、3月の空に桜が咲きほこっている光景を唄っているのですね。

いざや いざや 見にゆかん とは、さあ、桜を見に行こうという意味です。
私は、聖書のイザヤを連想してしまいました。(聖書のことはよく知りませんが。)

「君が代」と同様に、この歌詞はヘブライ語でも解釈できると書かれている記事もありました。

3. 日本人が桜に特別な感情を抱く理由

桜といえば、日本の象徴的な花だと、私たち日本人は感じています。

ニュージーランドでも春になると桜の花が咲き、道端などでもよく目にします。
ただ、こちらの桜は日本の桜と少し様子が違います。あっという間に散ってしまう日本の桜とは違い、もう少し長く咲いている印象があります。

ところで日本人はなぜ、桜に特別な感情を抱くのでしょう。

寒い冬の季節がようやく終わりを告げる頃、春の訪れを感じさせてくれる桜の花が咲き始めて、あっという間に散っていきます。
ちょうどその頃、学校や社会人も3月から4月にかけて年が変わり、卒業と入学、別れと出会いが同時にあり、人間関係も変化していきます。

季節の移り変わりを、華やかに演出してくれる桜。日本列島は春になると、桜の開花の桜前線が北上していき、順番にあちらこちらで花が咲き誇ります。まさしく、見わたす限りに、桜が咲きます。

それと同時に、美しくも儚い命を連想させる桜。
人との出会いも一期一会。

「もう、来年の春はこの桜を見ることができないかもしれない。」
不治の病と闘う人たちも、桜を想い涙します。

今年の3月中旬に私は日本に一時帰国して、11年ぶりに日本の桜を見ることができました。
ゴールデンウイークの頃は、岐阜の高原を訪れる機会がありました。関東で3月に満喫した桜でしたが、4月末にもまた高原で桜を目にすることができて、とても得をした気分でした。

春の季節、日本の桜はあちらこちらに咲き誇り、美しい限りです。
「さくらさくら」の唄を聴きながら、ついこの間まで滞在していたのに、また日本が懐かしくなってきてしまいました。