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矢野智徳氏: 日本庭園から「大地の再生」を実践して学ぶワークショップ

矢野智徳氏: 日本庭園から「大地の再生」を実践して学ぶワークショップ

5月10日(金) 講師: 矢野智徳さん

「日本庭園を通して学ぶ、風土環境再生の知恵」

大地の再生講座@神奈川県山北町 「和乃森やまきた」

【日時】2024年5月10日(金)
9:00集合 9:30開始〜18時頃まで(予定)
※雨天決行

【集合場所】和乃森やまきた
神奈川県山北町東山北駅徒歩3分
東名高速道路大井松田IC 約10分

【参加費】8800円(昼食おやつ込み)

【持ち物】
移植ゴテ、のこぎり鎌、動きやすい服装(長袖・長ズボン)、作業用手袋、雨天時は長靴とカッパ、飲み物、マイ皿(ご飯と味噌汁用)、マイコップ、マイ箸、その他各自必要なもの

※あれば便利なもの: 剪定ばさみ・剪定用のこぎり

【お問い合わせ】メール:mori.gakko.uenohara@gmail.com

【主催】杜の学校

【共催】和乃森やまきた

※記録用にカメラが入ります。映像に入りたくない方は、あらかじめお知らせください。

1. 日本庭園を通して「和の学び」

「和の学び」の学校、初めてのワークショップは
環境再生医、矢野智徳さんをお迎えして、日本庭園での和の学びから。いよいよ2024年5月10日(金) スタートします!

神奈川県山北町にある「和乃森やまきた」敷地内の日本庭園が教材です。
私たちを取り巻く地球環境は、みなさんも実感されているように、日を追うごとに悪化の一途をたどっている状況です。

多くの自然災害は、本当に自然による災害なのでしょうか。
人間が自然に寄り添って手を加えたら、二次災害をある程度防ぐことはできないのだろうか、と考えてしまうのは私だけでしょうか。

このような状況を良い方向へ転換する第一歩として、環境再生にどのような視点が私たち一人ひとりに必要なのか、一緒に考えてみませんか。

まずは身近な庭、日本の文化が息づく日本庭園から
地球環境「大地の再生」への理論と実践を、学びます。

2. 具体的な環境再生、6つの解決策

「日本庭園を通して学ぶ、風土環境再生の知恵」
具体的に学ぶことができる、6つのテーマです。

2-1. 松枯れの再生

松枯れの勢いが止まらずに半年が経過
松枯れの勢いが止まらずに半年が経過

この庭の松の木に出合ったのは、ちょうど半年前のことでした。初めての内覧の際に、入り口玄関の一番目立つ場所にある、この松の木のほんの一部が変色し始めていること気づきました。

そして徐々に拡大していった、現在の様子の写真です。

枯れてしまった部分は手で取り除いてみましたが、病巣が拡大を止める気配はありません。人間の体と同じです。環境再生医、樹のお医者さんに診てもらうほか手立てがない状況にあります。

昔ながらの戸建て住宅には、庭に松の木があることが多いと思います。ただ、慣れていない人にとっては手入れも大変で、職人さんに任せる余裕がないこともあります。このような理由から、松枯れを機に切ってしまったという声も多く聞かれます。

一般家庭の庭に、松の木は欠かせないものだったという日本の文化。薬に頼らず根本的に松の木を再生させる方法を学ぶ、私にとっても良い機会になります。

2-2. 雑草は厄介な存在ではなく、活かせるもの

雑草は、全て根こそぎ取るのではなく、ましてや除草剤に頼って除去するものでもなく、活かすもの! なのだそうです。

雑草だらけの庭に咲いている、お花たち
雑草だらけの庭に咲いている、お花たち

ここ2〜3週間で、急激に伸びてきた雑草たち。
雑草取りをしなければ、という衝動をグッと堪えて、ワークショップの教材用の庭としてそのまま伸び放題にさせています。

お花の周りに、カラスノエンドウがたくさん生えています。
これは一般的には雑草と言われていますが、食用にもなるのだそうですね。よく見ると小さなエンドウがなっています。生えたての若いカラスノエンドウ、上の部分を採って、茹でて食べると美味しいのだそうです。

これから夏に向けて、雑草は明らかにグンぐんと伸びてきます。
雑草取りで神経を擦り減らすことなく、雑草を活かしながら上手に付き合う方法を学びます。

2-3. 樹を穏やか成長させる

樹は伸びるのが当たり前だと、考えていました。
しかし、その伸び方に違いがあるのだそうです。水と風の流れをちゃんと考えて、植物が心地よい環境を整えてあげることができれば、樹は穏やかに伸びていく。

人間と同じように、成長の環境を整えてあげることが大切なのですね。
どこまでも植物目線で。興味深い内容です。

2-4. 水たまりの解消

水の流れが滞る場所があると、人間の血液の流れと同様に、様々な不調が起こります。植物が、快適に育つことができる環境が必要です。

さらに水たまりが放置されれば、蚊や結果的にあまり良くない虫たちの大量発生を避けることができません。

庭から、さらに森林に目を向けてみましょう。
土砂災害は、なぜ起きるのでしょう。水が自然な形で流れるようになっていれば、免れられる災害も数多くあるのではないのでしょうか。

2-5. 流域生態系の再生

ちょっと難しい言葉です。
庭のような空間でも、土地のある一部分の水と空気の流れを整えることができれば、その周辺の植物たちだけでなく、微生物や虫たちを含むすべての流域生態系の再生が可能になる、ということだと思います。( 詳細は、「大地の再生」実践マニュアル または講習会でどうぞ。)

2-6. 流域災害の減災

矢野さんたちの手が入り、水と風の流れの環境が整った場所でのお話を、動画で観たことがあります。翌日に台風で大雨が降り戻ってみたら、地域は多大な被害にあっていたものの、その場所と周辺は難を逃れていたとのことでした。

ちょっとした流れの滞りによって、たとえ一ヶ所でも重大な結果を招くことは想像できます。人間と同じで、命取りになることがあるのでしょう。

流域災害の減災について、どれくらいの範囲に影響を及ぼすのか興味深いです。

3. 継続的な学びの場に

「和の学び」の学校、和乃森やまきたでは、継続的、総合的な学びの場を提供していきたいと考えています。

人間の健康問題は、自然の環境問題にも直結しています。
人間は自然なくして、生きてはいけません。自然が狂って災害が起きているのではなく、結果を招いている原因の元のそのほとんどは、人間にあると私は思うのです。

衣食住、医、環境問題、心のこと、そして芸術の分野に至るまで
どれか一つ欠けても、私たちがこの地球上、そして日本という国の中で、精神的、肉体的、文化的に満たされた人間らしい生活を営んでいくことはできません。

すべては、繋がっています。

私自身、これからもっと多くのことを学んでいければ、と思っています。