昭和レトロな東京蒲田の呉服屋さん
目次:
- 蒲田の駅前商店街へ
- 今では珍しい昔ながらの商品
2-1. 晒 さらし
2-2. 手ぬぐい
2-3. 割烹着 - 昭和レトロな懐かしさを求めて
1. 蒲田の駅前商店街へ
何ヶ月も前からチケット購入していたコンサートが、大田区民ホールでありました。
崎谷直人(ヴァイオリン) & 伊藤彗(ピアノ)
崎谷さんの繊細で優しいヴァイオリンの音色の生演奏は、とても印象的でした。
演奏後の帰り道、蒲田駅向かう途中にあったあるお店。もうすぐ閉店してしまうのかな、と思うような品揃えでしたが、それがまたレトロで安くてびっくりしながら商品を見ていました。
もうすぐ100歳になる義理の母が、72〜73年前に始めたという呉服屋さん、えちごや( 東京都大田区蒲田5-25-2) 。今はお嫁さんが、店に立っています。
戦後の昭和20年代は、着物が飛ぶように売れたのだそうです。今ではその面影はなく、駅近なのにも関わらず商店街はシャッターが閉まってひっそりとしています。
以前は活気があった駅前の商店街は、地方のみならず東京も例外ではなく、衰退しています。なんだか、とても寂しい気持ちがしてしまうのは、私だけでしょうか。人情味あふれる店主の何気ない会話と昔ながらの店構えが心地良く、すっかり長居をしてしまいました。
たくさん買い物をして、大きな袋を持って電車で帰りました。マットを5つも購入したので「重くなって、ごめんなさいね。」と言いながら、申し訳なさそうに見送ってくださいました。
2. 今では珍しい昔ながらの商品
2-1. 晒さらし
さらしと言えば、私は妊娠出産の時にお腹の周りに巻くものをイメージします。「さらしを巻く」と聞いたことがあります。
しかし私も実際には、このような一枚の巻かれた反物の長い布を使ったことはなく、妊婦さん用の既製品の腹帯を使いました。さらし、という言葉は知っていましたが、実際にさらしを見たことは初めてでした。
「お寿司屋さんなんかは、これがないとダメだと言っていつも買っていってくださるのよ。」
ということは、料理をする時に大変便利なもの、なのですね!
“キッチンペーパー代わりに使えて、キッチンペーパーよりも便利で、さらにエコ”
ラップ代わりにもなり、コーヒーフィルター代わりに使えば味がなめらかになり、こしたり、拭いたり、水気を切ったり。好きな長さに切って、丈夫だから何度でも洗って使える、とっても便利でエコなもの。
半世紀以上生きてきて毎日台所に立っているのに、私はさらしがこのようなものだったとは、全く知りませんでした。
さらしの使い方
- ラップ代わりに
- キッチンペーパー代わりに
- 食器を拭く
- こす
- 水気を切る
- 蒸す
私は、ラップを使って一回で捨てるのがもったいなくて、きれいなものは広げておいて再度使ったりすることがあります。キッチンペーパーもなんだかもったいなくて、半分にちぎって使ったり(笑)。娘たちには、「ママは貧乏性。」といつも呆れられています。
さらしという最強アイテムを見つけたので、これから早速毎日の生活で使ってみようと思います。
2-2. 手ぬぐい
手ぬぐいは、普段の生活ではあまり馴染みのないものになりました。久しぶりに手ぬぐいを見て、「かわいい!」と嬉しくなって購入してみました。
手ぬぐいの素材は、綿100%です。
手ぬぐいの端が切りっぱなしだということを、ご存知でしたか。私は知りませんでした。洗濯をするとほつれるので、それをその度に切りながら手入れをすると、徐々にほつれが止まっていくそうです。
端が切りっぱなしなのには、理由があります。
濡れた後に乾きやすいので雑菌がつきにくく、さらに端に汚れがたまらないので衛生的なのだとか。
手拭いの使い方は、以下の通り。
- 文字通り、手を拭く
- 食器を拭く
- おしぼりとして
- 持ち歩いてハンカチとして
- お弁当を包む
- ペットボトルを包む
- ワインボトルを包む
- ティッシュペーパーボックスのカバーとして食器やパソコンにかぶせて、ホコリ避けに
- テーブルに広げて、いつもの食卓を華やかに
- 着物を着る時に、半襟代わりに
着物の半襟とは
写真の半襟は無地ですが、着物の柄が無地ならば半襟を模様にするなど、組み合わせによって楽しめるということですね。襟の部分はどうしても汗などで汚れやすいので、吸湿性のある手ぬぐいのような性質の布は、使いやすそうです。
手土産にワインを持っていくのに、何度でも使えてエコな手ぬぐいに包んでいく、というのも、おしゃれでいいですね。
手ぬぐいは、幅33cmの反物を90cmの長さに切って、切りっぱなしで販売されています。10枚分の9mの手ぬぐい反物というのが販売されています。
手ぬぐいと一緒に、今回ガーゼ手ぬぐいも購入してみました。
端は縫ってあるので、ほつれません。大きさはほぼ同じで、素材も綿100%ですが、ガーゼなのでさらに吸湿性や通気性が良いのでしょう。
アイデア次第で、便利で楽しく使える手ぬぐい。エコ、が叫ばれているこの時代に、ちょっと昔の日本を振り返ってみるのはいかがでしょうか。
2-3. 割烹着
割烹着は白いものを、田舎のおばさま方が法事の際に着て、みんなで食事の支度をしている、そんなイメージがあります。
庭仕事をしていると洋服が汚れるので、両袖まで隠してくれるエプロンが欲しいと思っていたところでした。割烹着、という手があったのですね。保育園の先生たちが着ている、そんな感じの割烹着です。
割烹着にも、洋装と和装があります。
着物の上から着る和装の割烹着は、洋装の割烹着とは違い、脇や袖、襟の部分の寸法や形がゆとりを持って作られています。
私にとっては、田舎のおばさまのイメージがある割烹着姿。
実際のところ、様々な作業をするのに便利で合理的だからこそ、長い間選ばれ続けているアイテムのひとつなのですね。
3. 昭和レトロな懐かしさを求めて
普段の日常生活に、ちょっと昔のアイテムを加えて使ってみたら、ほっとできるおしゃれな時間と空間ができます。それを想像していたらなんだかわくわくしてきて、もっと多くの昭和レトロな日用品を集めてみたくなりました。
ちょうど必要だった、台所用品を少しずつこれから揃えていきたいと思っています。
今回商店街で出合った、蒲田の老舗呉服店の店主様、長い時間お付き合いくださってどうもありがとうございました。購入させていただいた、仮縫いのための正絹(しょうけん)のお着物。大切に、飾らせていただきます。