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DNAと音楽と432Hz〜広島大学の研究より

目次:

  1. DNA音楽 科学と芸術の間を探る
  2. 生物のDNAは、音楽を奏でる
  3. 研究論文と世界の反応
  4. 遺伝子のリズムと共鳴する、音楽の誕生

432Hzの音楽を調べていくと、音楽について数多くの興味深い研究がされてきた事実を、知ることになります。

私が音楽に興味を持つのは、音は見えないものですが、耳を通じて五感という形で感じることができるものだからです。振動や波長、周波数という物理学が、音楽という芸術に結びついていることが面白いな、と思います。

今回は、広島大学の公式チャンネルから、理学部両生類研究センター三浦郁夫准教授のお話をご紹介します。

理学部の先生が真面目にDNAのお話をしながら、同時に音楽について語っているという内容が、とても新鮮です。

1. DNA音楽 科学と芸術の間を探る

理学部 DNA音楽ー科学と芸術の間を探るー

以下、内容を抜粋してみました。

今回はDNAという物質を、その構成原理に基づいて音楽で表現してみようという試みを紹介します。

そして、「音楽とはどういうものか。」という提起に続きます。小鳥や虫たち、動物の発声、求愛歌などは音楽という範疇には入らず、人間だけが音楽を作ることができると話されています。

音楽というのは、一つのフレーズがその形を変えながら繰り返していくという構成になっています。

そして、このような音楽のフレーズの繰り返しという特徴と、生命の遺伝情報の担い手であるDNAの塩基の配列パターン、フレーズが、変化しながら繰り返されていることが共通している、という点に着目されています。

2. 生物のDNAは、音楽を奏でる

DNAと音楽の構成原理は同じなので、DNAを音楽として表現して、聞くことができるのではないか。

「音楽が音楽たる由縁は、主題が少しずつ変化しながら繰り返していくところにありますが、同様に繰り返しをもつDNAも音楽に変換しえるわけです。」

Ohno S & Ohno M 1986 遺伝学者 大野乾(すすむ)博士(1928ー2000)

DNAが音楽で表現できるとなると、さまざまな生物のDNAに刻まれた音楽を聴くことができるのではないか、という非常に大きな期待が沸き上がってくるわけです。

ただし、一つ問題点があります。DNAというのは4つの文字(AGTC アデニン、グアニン、チミン、シトシン)から構成されています。一方ここで西洋音楽を左右するとすれば、一つの単位1オクターブ(ド〜ド)は、8つノートから構成されています。ですのでDNAの配列を西洋音楽に変換する場合には、4つを8つに変化しないといけません。ですがこれをどうするかというのが大きな問題になります。

そこで大野博士らは、オオノの変換ルールというものを提唱しました。

* ヒトのヘモグロビンのβ鎖の塩基配列から作られた音楽が、動画の中で紹介されています。(動画10:09〜)

* さらに、大野博士が、1986年にこのようなDNAの音楽への変換のアイデアを提唱した頃の曲。
ヒトのPGK(12:41〜)

ヒトだけではなく、動物のDNAの音楽も聴くことができます。この動画の講師は、広島大学の両生類研究者です。世界最大の両生類オオサンショウウオ生息地、広島ということで、オオサンショウウオのDNAの音楽をお楽しみいただけます。

オオサンショウウオが住んでいる川のせせらぎが浮かんでくるような音楽だ、という表現が印象的でした。

* オオサンショウウオの指を作るHox A13遺伝子による音楽(17:11〜)

悲哀が込められたような音楽が、素敵です。
* オオサンショウウオとは23%の違いがある、ヒトのHox A13遺伝子(18:43〜)

* オオサンショウウオのノンコーディング領域(22:16〜)

これらの曲は、全て素人が作曲したものです。そこからわかるように、音楽に関してまったく無知であっても、このような曲ができてしまうということが、まさにこれは作曲ではなくて変換であるということの一つの証拠ではないかと思います。

これらの作曲に携わる中で一つやはりどうしても興味が湧いてきたのが、そのプロのミュージシャンがこの変換作業したら、一体どういう曲になるんだろうかということです。

3. 研究論文と世界の反応

そこで、代表曲「ウイスキーがお好きでしょ」のミュージシャン、理学部出身の杉真理(まさみち)さんによるオオサンショウウオの60万回繰り返すゲノムの配列Xbaリピートの音楽に続きます。
* とても綺麗な音楽です。(27:01〜)

海外の大学でのこのような研究発表は、とても好評のようです。時代は、確実に真実へと向かっているようですね。研究論文は、以下で閲覧できます。

広島大学図書館リポジトリー

オオサンショウウオの遺伝子メロディーを奏でる:科学とロマン、そして生命の未知なる領域 2005
 https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00000134

DNA music of humans and giant salamander
https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00046412

4. 遺伝子のリズムと共鳴する、音楽の誕生

432Hzとの関連はどこにあるんだ、とお叱りを受けてしまいそうですが。。この動画で紹介されているような音楽の演奏が、432Hzで聴くことができたなら、自然と調和した、さらに素晴らしいものになるのではないだろうか、という期待につながります。

遺伝子のリズムと共鳴する、音楽の誕生です。

一般的に432Hzの音楽は、宇宙、自然の振動数と共鳴するので、私たちの心身の癒しに繋がるという表現をされます。

科学的な基本的なおさらいですが、ひとつひとつの細胞には細胞核があり、その中に遺伝情報の本体であるDNAが入っています。 DNAは2重らせん構造をした紐状の物質で、A、G、C、Tの4種類の塩基が並んでいます。

そのDNAが、このような素敵な音楽のメロディを奏でているのです。細胞の核レベルで振動しているのですから、耳から入る音楽とピッタリと共鳴、共振すれば、心身に良い影響を与えることが容易に想像できます。

なぜ音楽が、心身の癒しにつながるのか。科学的にも感覚的にも、もっと身近に感じられるようになるのではないでしょうか。

ゼニゴケ遺伝子音楽